【遺言書の種類】迷ったらコレ一択!遺された家族の手続きが圧倒的に楽になる作成方法

【遺言書の種類】迷ったらコレ一択!遺された家族の手続きが圧倒的に楽になる作成方法

「終活」という言葉はすっかり定着しましたね。 山口県内の宇部市や山口市にお住まいの方でも、ご自身の、あるいは親御さんの「もしもの時」について考える機会が増えているのではないでしょうか。

先日も、あるお客様からこんなご相談をいただきました。

「80代の母が『エンディングノートに遺言を書いたから大丈夫よ』と言うんです。でも、普通のノートに書いただけで本当に効果があるのか心配で……」

娘さんのお気持ち、とてもよく分かります。 お母様が家族を想って筆をとってくれたことは素晴らしいことです。

しかし、残念ながら普通のノートや手紙に書かれたものは、法律上の「遺言書」として認められないことが多いのが現実です。いざという時に銀行でお金をおろせなかったり、不動産の名義変更ができなかったりと、残されたご家族が困ってしまうケースが後を絶ちません。

結論から申し上げますと、ご家族の手続き負担を減らし、お母様の想いを確実に実現するなら、「公正証書遺言(こうせいしょうしょいごん)」一択です。

なぜそこまで言い切れるのか? 地元の行政書士である私たちが、その理由を分かりやすく解説します。

目次

遺言書の種類はどっちがいい?自筆と公正証書の違いを比較

遺言書にはいくつか種類がありますが、一般的に使われるのは大きく分けて2つです。
(※秘密証書遺言でも作成可能ですが、実例は非常に少ないため今回は割愛します)

  1. 自筆証書遺言(じひつしょうしょいごん):自分ひとりで手書きするもの
  2. 公正証書遺言(こうせいしょうしょいごん):プロ(公証人)と一緒に作るもの

ざっくり言うと、「手作り」か「プロ仕様」かの違いです。 それぞれの特徴を比較してみました。

表を見ていただくと分かる通り、自筆証書遺言は証人等が不要で、本人が「今すぐ無料で書ける」のがメリットです。

しかしながら、無効のリスクや紛失・改ざんのリスクがあり、遺言者本人の意思が相続人に無事に届く安心感は弱くなる方法と言えます。

また、「検認」手続きが必要であり、「亡くなった後の手続きが大変」という大きなデメリットがあります。

(※令和2年7月から「自筆証書遺言を法務局で預かってもらえる「保管制度」が始まっております。この制度を利用することにより「検認」手続きは不要になりますが、遺言書の内容の有効性までは確認されないため、引き続き無効のリスクは残ります)

一方、公正証書遺言は作成時に少し費用と手間はかかりますが、「亡くなった後の手続きが圧倒的に楽で確実」なのです。

【注意】「自筆証書遺言」には3つの落とし穴があります

「お金もかからないし、手軽だから自筆でいいわ」 そう思われる方も多いのですが、実は専門家としてはあまりおすすめできません。

なぜなら、宇部市や防府市などの現場でも、自筆証書遺言のトラブルをたくさん見てきたからです。ここには3つの大きな落とし穴があります。

1. ちょっとした書き間違いで「無効」になる

法律では、遺言書の書き方が厳格に決まっています。

  • 日付が「吉日」になっていて無効
  • 訂正の仕方が間違っていて無効
  • 署名や押印が抜けていて無効

せっかくお母様が一生懸命書いても、これらが一つでも該当すれば、その遺言書はただの紙切れになってしまいます。エンディングノートも同様に、法的な効力はありません。

2. 紛失したり、発見されない可能性がある

「タンスの奥にしまっていたため、家族が見つけられなかった」 「見つけた親族が、自分に不利な内容だったので捨ててしまった」

ドラマのような話ですが、現実にも起こりうることです。 (※前述のとおり、法務局で保管する制度もありますが、手続きの手間がかかる点は変わりません)

3. 最大の難関!「検認(けんにん)」の手続きが必要

ここが一番重要です。 自筆の遺言書が見つかった場合、勝手に開封してはいけません。

必ず家庭裁判所に持って行き、「検認」という手続きを受けなければならないのです。

この検認手続きが、本当に大変です。 亡くなった方の生まれてから死ぬまでの戸籍を全て集め、相続人全員に通知を出し、平日の昼間に裁判所へ行き……。完了するまでに数ヶ月かかることもあります。

その間、銀行口座は凍結されたままです。 「母が遺言書を遺してくれたおかげで助かった」となるはずが、「手続きがこんなに面倒だなんて……」とご家族が疲弊してしまうのが、自筆証書遺言の現実なのです。

「公正証書遺言」が家族への最高のプレゼントになる理由

一方で、私たちが強くおすすめする「公正証書遺言」であれば、先ほどのデメリットはすべて解消されます。

1. 裁判所での「検認」が不要!すぐに手続きできる

公正証書遺言の最大のメリットはこれです。 面倒な裁判所の手続き(検認)が一切いりません。

お母様に万が一のことがあった後、遺言書を持って地元の銀行や法務局に行くだけで、すぐに名義変更や解約の手続きができます。 悲しみの中で忙しいご家族にとって、このスピード感と手軽さは何よりの救いになります。

2. 公証人(プロ)が作るので、無効にならない

公正証書遺言は、元裁判官などの法律のプロである「公証人」が作成します。 形式不備で無効になる心配は無いと言ってよいでしょう。お母様の「長女に家を継がせたい」「お世話になった人に感謝を伝えたい」という想いが、確実に相続人に届けられるという安心感があります。

3. 原本は役場に保管されるので、紛失・偽造の心配なし

作成した遺言書の原本は、公証役場の金庫で厳重に保管されます。 ご自宅で保管するのは「謄本(写し)」です。もしご自宅が火事になったり、紛失したりしても、役場に行けばすぐに再発行してもらえます。

宇部市・山口市で公正証書遺言を作るには?

「公正証書遺言が良いのは分かったけど、どこに行けばいいの?」 「なんだか難しそう……」

そう思われた方へ、地元での具体的な進め方をお伝えします。

宇部公証役場の場所と手続きの流れ

宇部市周辺にお住まいの方は、基本的に「宇部公証役場」を利用されるのが最も利用しやすいでしょう。

  • 場所: 山口県宇部市寿町3丁目8−21

(※山口市の方は山口公証役場、防府市の方は防府公証役場が管轄になります)

手続きの流れ

STEP
公証人へ内容相談や作成の依頼

   遺言者やその親族等が公証役場に電話やメール等で連絡を取り、公正証書遺言を作成したい旨を公証人に伝えます。
行政書士などの士業に事前相談いただくと、士業を通じて公証人に連絡することもできます。

STEP
相続内容のメモや資料の提出

   相談や遺言書の作成に当たっては、相続内容のメモ(持っている財産、分け方の希望などを記載したメモ)を、メール、ファックス送信、郵送等により、または持参して、公証人に提出します。

STEP
遺言書(案)の作成と修正   

   提出されたメモおよび必要資料に基づき、公証人が遺言公正証書(案)を作成し、メール等により、それを遺言者等に提示します。遺言者がそれを確認んし、修正したい箇所を摘示すれば、公証人は、それに従って遺言公正証書(案)を修正し、確定します。

STEP
遺言公正証書の作成日時の確定

   遺言公正証書(案)が確定したら、遺言者に公証役場に出向く、または公証人が遺言者のご自宅や病院等に出張するなどして遺言者が公正証書遺言をする日時を確定します。

STEP
遺言の当日の手続

   遺言当日は、遺言者本人から公証人に対し、証人2名の前で、遺言の内容を改めて口頭で告げます。公証人は、それが判断能力を有する遺言者の真意であることを確認した上で、準備した遺言公正証書の原本を、遺言者および証人2名に読み聞かせ、または閲覧させて、遺言の内容に間違いがないことを確認してもらいます。

   遺言の内容に間違いがない場合には、遺言者および証人2名が、遺言公正証書の原本となる電磁的記録に電子サインをすることになります。そして、公証人も、遺言公正証書の原本となる電磁的記録に電子サインし、電子署名することによって、遺言公正証書が完成します。

公証人が電子署名をすると、それ以後に遺言公正証書の内容が書き換えられた場合には、その記録が残るため、遺言書の改ざんが防げます。

「一人で行くのは不安…」という方は専門家にお任せください

公証役場は平日しか開いていませんし、独特の雰囲気があって緊張される方も多いです。また、法律用語で書かれた原案を作ったり、証人になってくれる人を探したりするのは、一般の方には高いハードルです。

そんな時は、ぜひ地元の専門家を頼ってください。

私たち「やまぐち相続コンシェルジュ」では、以下のようなサポートを行っています。

  • 面倒な戸籍収集の代行
  • 公証人との打ち合わせ代行
  • 遺言書原案の作成
  • 当日の公証役場への同行と、証人の引き受け

お母様には「当日に役場へ行くだけ(あるいは出張対応)」の状態まで準備を整えますので、負担をかけずに作成できます。

まとめ:お母様の想いを「確実な形」に残しましょう

  • 自筆証書遺言は、書くのは簡単ですが、残された家族の手続きが大変です。
  • 公正証書遺言は、作成に少し準備が必要ですが、家族の手続きが圧倒的に楽になり、何より確実です。

遺言書は、単なる財産分けの書類ではありません。 お母様からご家族への「最後のラブレター」であり、家族の仲を守るための「お守り」です。

「遺言書の内容、何を書けばいいか分からない」 「母にどう切り出せばいいか相談したい」

そんな不安をお持ちの方は、一人で悩まず、まずはやまぐち相続コンシェルジュの無料相談をご利用ください。 経験豊富な行政書士が、親身になってお話を伺います。

この記事を書いた人

やまぐち相続コンシェルジュ 代表
(BIZARQ行政書士法人の代表行政書士)
30代で双子の兄(社会保険労務士)とともに士業事務所を開業。4年目で法人化とともに、弁護士・税理士・会計士・社労士・行政書士の総合士業グループのBIZARQグループへ参画。個人向けの遺言・相続手続きから法人向けの許認可申請手続きまで幅広く扱う。

目次