遺産分割協議の進め方|7ステップで解説【宇部市の行政書士】

遺産分割協議は、相続人全員で「誰が何を相続するか」を話し合って決めるプロセスです。話し合いがまとまらないと相続手続きが進められません。また、感情的な対立に発展することもあります。
やまぐち相続コンシェルジュでは、山口県全域で遺産分割の方法についてのご相談から協議書作成、署名捺印の仕方まで一貫してサポートいたします。
実際に当事務所でご相談を受ける案件のうち、約2〜3割は「相続人同士で話し合いがまとまらない」「進め方が分からない」というご相談です。この記事では、そのような方が円満に遺産分割協議を進められるよう、行政書士・相続診断士の視点から進め方をご説明します。
この記事はこんな人におすすめ
・遺産分割協議が必要な人
・遺産分割協議がまとまるか不安な人
・遺産分割協議を専門家にサポートしてほしい人
こんなお悩みはありませんか?
- 相続人同士で意見が対立している
- 遺産分割協議の進め方がわからない
- 公平な分け方を知りたい
- 遠方の相続人とどう協議すればいいか
- 相続人の一人と連絡が取れない
- 話し合いがまとまらない
このような方は、ぜひ当事務所にご相談ください。専門家が円満な遺産分割をサポートいたします。
遺産分割協議の全体像を知りたい方は下記の記事を併せてお読みください。

遺産分割協議とは
遺産分割協議の進め方をご説明する前に、そもそも遺産分割協議とは?という点を確認していきましょう。
民法第898条第1項では下記のように規定されています。
1 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。
この条文により、被相続人(亡くなった方)が亡くなった瞬間、各相続人は自分の法定相続分に応じた「持ち分」を法律上当然に持つことになります。
つまり、遺産分割協議を行わなければ、法定相続分で分けられるということになります。
法定相続について詳しく知りたい方は下記の記事を併せてお読みください。

遺産分割協議が必要な場合
法定相続分とは異なる方法で相続財産を分けたい場合には遺産分割協議が必要です。
特に不動産がある場合、法定相続分どおりに分けると相続人全員で共有されることになりますので、多くの方は遺産分割協議を行い、1人の相続人の単独名義にします。
遺産分割協議が不要な場合
下記のような場合には遺産分割協議は不要です。
- 相続人が1人だけ
- 遺言書ですべての財産の分け方が指定されている
- すべての相続財産を法定相続分で分ける
遺産分割協議の流れ
被相続人の出生から死亡までの戸籍をすべて取り寄せ、誰が法定相続人なのかを確定します。
被相続人に隠し子や認知した子がいる場合、ここで初めて発覚することもあります。
山口県内の戸籍は、市役所の市民課で取得できます(宇部市役所市民課、山口市役所市民課など)。
なお、令和6年3月から戸籍の広域交付制度が始まり、本籍地以外の市役所でも戸籍が取得できるようになりましたので、宇部市役所で県外の戸籍も一括請求できる場合があります。
詳しくは「相続人と相続財産の確定」記事をご参照ください。

被相続人が遺した財産を、プラスの財産・マイナスの財産も含めて全て洗い出します。
【調査する財産の種類】
・プラスの財産:不動産、預貯金、株式・有価証券、生命保険金、自動車、貴金属など
・マイナスの財産:借金、ローン、未払い税金、保証債務など
【宇部市・山口県内での財産調査のポイント】
山口県内でよく利用されている金融機関には、山口銀行・西京銀行・西中国信用金庫・山口県信用組合などがあります。これらの金融機関に対して、被相続人の取引内容について「残高証明書」を請求することで、預貯金口座の有無や残高を確認できます。
不動産については、固定資産税の納税通知書から所有不動産を把握できますが、共有持分や山林・農地など納税通知書に記載されない不動産もあるため、市役所で「名寄帳」を取得することをお勧めします。
誰が何を相続するか、各相続人の希望を踏まえて分割方法を検討します。
【検討時のチェックポイント】
・相続人それぞれの希望を聞き取る
・現金化できる財産と、不動産など分けにくい財産のバランスを確認
・相続税申告が必要な場合、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を活用できるか
・同居していた相続人がいる場合、そのまま住み続けられる分け方を検討
このステップでは、後述する「現物分割・代償分割・換価分割・共有」の4つの分割方法のうち、どれを選ぶかを検討します。
当事務所でご相談を受ける際、相続人の方々が「とりあえず法定相続分通りに共有名義にしておけばいい」とおっしゃるケースがあります。しかし、不動産の共有は将来トラブルの種になりやすく、次の相続が発生した際に共有者が雪だるま式に増えていくリスクがあります。可能な限り、不動産は単独所有にして、現金や他の財産で公平性を保つことをお勧めしています。
相続人全員で実際に話し合いを行い、合意を目指します。
相続人全員が一堂に会する必要はなく、遠方の相続人がいる場合はオンラインや電話、書面のやり取りでも問題ありません。重要なのは、全員の合意が得られていることです。
協議の進め方については、後述の「遺産分割協議を円満に進めるコツ」もご参照ください。
相続人全員の合意内容を文書にまとめ、「遺産分割協議書」を作成します。
【遺産分割協議書に記載する事項】
・被相続人の情報(氏名、最後の住所、本籍、死亡日)
・相続人全員の氏名・住所
・相続財産の詳細(不動産は登記簿通りに記載)
・誰が何を相続するか
・債務の負担者
・後日判明した財産の取扱い
・作成日・相続人全員の署名と実印による押印
【特に注意すべきポイント】
・不動産の表記は登記簿の記載通りに正確に記載する
・相続人全員の実印による押印と、印鑑証明書の添付が必須
・1通の原本に全員が押印するか、各自1通ずつ作成する方法もある
遺産分割協議書は、その後の不動産名義変更や預貯金の解約などの手続きで必要となる重要な書類です。形式に不備があると、法務局や金融機関で受け付けてもらえず、作り直しになるケースも少なくありません。
作成に不安がある場合は、行政書士などの専門家に依頼することをお勧めします。
作成した遺産分割協議書を使って、相続財産の名義変更手続きを行います。
【主な名義変更手続き】
・不動産の名義変更(相続登記):法務局
・預貯金の名義変更・解約:各金融機関
・株式・有価証券の名義変更:証券会社
・自動車の名義変更:運輸支局
・公共料金などの契約者変更:各事業者
【宇部市・山口県内の主な手続き先】
・不動産登記:山口地方法務局宇部支局(宇部市琴芝町2-1-29)※宇部市・山陽小野田市・美祢市の不動産が対象
・自動車登記:中国運輸局山口運輸支局(山口市小郡下郷)
・各金融機関の支店:山口銀行、西京銀行、西中国信用金庫、山口県信用組合などの各支店
【相続登記の義務化(重要)】
令和6年4月1日から、相続登記が義務化されました。相続発生から3年以内に相続登記を申請しないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。遺産分割協議書の作成後は、速やかに相続登記の手続きを進めましょう。
なお、不動産の相続登記は司法書士の独占業務となるため、当事務所では提携司法書士と連携して対応いたします。
遺産分割の方法
現金化できる相続財産は分割が比較的簡単です。
例えば、預金が900万円を相続人3名で平等に分けたいということであれば、300万円ずつ分ければそれが実現できます。
一方で不動産は売却により現金化しなければ均等に分けることが難しい財産です。
不動産の分割方法には下記の4種類があります。
- 1. 現物分割
-
財産をそのままの形で分ける方法です。例:自宅は配偶者、預貯金は長男、株式は次男。
【メリット】財産を売却せずに済む/公平な分割ができる
【デメリット】公平な分割が難しい場合がある/不動産は分けにくい - 2. 代償分割
-
特定の相続人が財産を取得し、他の相続人にお金を払う方法です。例:長男が自宅を相続し、次男に代償金1,000万円を支払う。
【メリット】公平に分けられる/現金化できる
【デメリット】代償金を支払う必要がある - 3. 換価分割
-
換価分割:財産を売却して、お金で分ける方法です。例:不動産を売却し、売却代金を相続人で分ける。
【山口県内での換価分割】
山口県内、特に宇部市・山陽小野田市・美祢市などの地方都市では、不動産(特に戸建て)の売却にやや時間がかかる傾向があります。需要のある市街地(中央町・常盤町など)では比較的売却しやすい一方、郊外や山間部の物件は買い手を見つけるのに半年〜1年以上かかることもあります。換価分割を選ぶ場合は、提携不動産会社と連携して計画的に進めることをお勧めします。 - 4. 共有
-
複数の相続人で共有する方法です。例:自宅を兄弟で共有(兄1/2、弟1/2)。
【メリット】とりあえず相続手続きを進められる
【デメリット】後でトラブルになりやすい/売却・処分に全員の同意が必要/次の相続でさらに複雑になる
共有は売却時に共有者全員の承諾が必要になるなど、後のトラブルの原因になりやすいため、できるだけ避けることをおすすめします。
遺産分割協議を円満に進めるコツ
遺産分割協議は相続人同士の関係が良好であれば、それほど揉めるケースは多くありません。
もともと相続人の関係性が良くない・相続財産が複数あり、揉めそうなどが想定される場合にはなるべく下記の点を意識して進めると良いでしょう。
- 1. 早めに始める
-
- 時間が経つほど、話し合いが難しくなる
- 感情的なしこりが生まれる
- 相続人の状況が変わる
- 2. 感情的にならない
-
- 冷静に話し合う
- 過去の出来事を持ち出さない
- 相手を責めない
- 建設的な提案をする
- 3. 専門家に相談する
-
- 行政書士、司法書士、弁護士などの第三者の専門家に相談
- 客観的なアドバイスをもらえる
- 相続人間の調整をしてもらえる
- 4. 透明性を保つ
-
- 財産をすべて開示する
- 隠し事をしない
- 疑念を持たれないようにする
- 5. 妥協点を探す
-
- 全員が100%満足することは難しい
- お互いに譲り合う
- Win-Winの解決策を探す
行政書士などの専門家が第三者として入ることで話し合いがスムーズに進む場合もあります。ぜひ一度相談してみてください。
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遺産分割協議でよくある問題
遺産分割協議が進まない”あるある”をご紹介します。
- 1. 相続人の一人と連絡が取れない
-
相続人が兄弟姉妹になる場合、兄弟間で疎遠の人がいることがあり、所在地・連絡先などが全く分からないというケースがあります。
特に山口県では、進学・就職で関西圏や関東圏に移り住んだ兄弟姉妹との連絡が取れないという相談を当事務所でもよく受けます。長年連絡を取っていなかった兄弟が実は数年前に住所を変更していた、というケースも珍しくありません。
【対処法】戸籍の附票から住所を調査し、手紙を送ります。それでも連絡が取れない場合は、不在者財産管理人の選任を申し立てます。
- 2. 相続人の一人が協議に応じない
-
協議の内容に納得できない相続人がいる場合、署名捺印をしてもらえず、協議が行えないことがあります。
【対処法】専門家に間に入ってもらいます。それでも解決しない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てます。調停には時間と労力がかかりますので、前述の円満に進めるコツをぜひ実践してみてください。
- 3. 相続人の一人が認知症
-
相続人の中に認知症の人がいる場合、その人の署名捺印は法律的な効力がなく、協議が行えないことがあります。
【対処法】裁判所によって成年後見人を選任します。成年後見人が本人に代わって遺産分割協議に参加します。
- 4. 未成年の相続人がいる
-
未成年者は単独で法律行為を行うことが出来ませんので、本人だけでは遺産分割協議の署名捺印ができません。
【対処法】親権者が代理人になります。ただし、親権者と未成年者が両方相続人の場合は、利益相反になるため、特別代理人の選任が必要です。
- 5. 相続人の一人が海外在住
-
相続人の一人が海外在住の場合、やり取りに時間がかかる・印鑑証明書が取得できないなど手続きが難しくなります。
【対処法】メール、オンライン会議で協議を進め、署名証明書(サイン証明)を在外公館で取得します。
その他の注意点について知りたい方は下記の記事を併せてお読みください。

遺産分割協議がまとまらない場合
遺産分割調停
家庭裁判所に申し立てます。調停委員が間に入って話し合いを進めます。
調停の流れ
- 家庭裁判所に申立て
- 調停期日(1〜2ヶ月に1回程度)
- 調停成立 または 調停不成立
遺産分割審判
調停が不成立の場合、自動的に審判に移行します。裁判官が遺産分割方法を決定します。
当事務所のサポート
やまぐち相続コンシェルジュでは、遺産分割協議を含む相続手続き全般をサポートさせていただきます。
サポート内容
- 相続人調査・相続関係説明図の作成
- 相続財産調査・財産目録の作成
- 分割案の作成
- 相続人間の調整
- 遺産分割協議書の作成
- 各種名義変更手続き
料金
- 遺産分割協議書作成:70,000円〜(税抜)
- 相続手続きまるごとサポート:119,000円〜(税抜)
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